こんにちは。東京都、秋葉原の歯医者スマイルデザインデンタルクリニック秋葉原です。

歯科治療を受けた後に、これまで痛くなかった歯が急に痛み出したことはありませんか？
治療前には何ともなかったのに、治療を受けた途端に痛みを感じるようになると、不安になってしまうものです。
このような治療後の痛みは多くの場合一時的ですが、中には追加の治療が必要になるケースもあります。
今回は、痛みがなかった歯が治療後に痛くなる理由と、その対処法について解説します。

痛みがなかった歯が治療後に痛む理由

神経が過敏になっている

虫歯の治療では、歯を削る際の振動や刺激が神経に伝わることがあります。
これは、普段は硬いエナメル質に守られている神経が、治療によって露出しやすくなるためです。
その結果、熱いものや冷たいもの、噛む刺激に神経が敏感に反応して痛みを感じることがあります。
多くの場合、この痛みは一時的で、刺激を避けて安静に過ごすことで、数日から1週間ほどで改善します。

虫歯が神経にまで到達している

虫歯が進行して神経に達すると強い痛みを感じるようになりますが、さらに進行して慢性的な炎症になると、痛みを感じなくなることがあります。
この場合、痛みがなくても虫歯は進行しており、治ったわけではありません。
神経が死んでしまうと痛みを感じる機能も失われ、深刻な状態となります。
痛みがない状態でも虫歯は進行しているため治療が必要ですが、治療中には、残っている神経に触れることで急に痛みを感じることがあります。神経を除去すると、痛みは徐々に落ち着きます。

神経が炎症している

虫歯治療では、歯の神経をできるだけ残す方針が取られることがあります。
これは、神経を残すことで歯に栄養が供給され、強度や寿命を保つことができるためです。
しかし、治療前から神経に炎症がある場合、治療で虫歯を取り除いても、炎症そのものを抑えることはできないため、治療後に冷たいものや甘いものでしみたり、ズキズキとした痛みが出たりすることがあります。
炎症が軽度であれば数日から数週間で落ち着くこともありますが、強く進行している場合は根管治療などで神経を処置する必要があります。

補綴物の高さが合っていない

詰め物やかぶせ物などの補綴物の形や高さが合っていない場合、かみ合わせが高くなることで補綴物が強く当たり、神経や周囲の組織に圧迫がかかって痛みが出ることがあります。
この状態が続くと、歯の根の周りの組織に炎症が起こり、痛みや違和感を覚えるようになります。

神経が取り切れていない

歯の根の内部の神経は複雑な形をしており、特に奥歯は根管が複数に分かれていたり湾曲していたり、肉眼では確認できない細い枝が存在することもあります。
そのため、神経を除去することが難しい場合があり、麻酔が切れた後に残っていた神経組織が炎症を起こした場合に激しい痛みが生じることがあります。
この場合は、追加の根管治療で残存神経を除去することで痛みが改善されます。

熱伝導性の高い金属を使っている

金属の詰め物は強度や耐久性に優れていますが、熱伝導性が高いため、冷たい飲み物や熱い飲み物で歯の内部に刺激が伝わり、神経を刺激して痛みを感じることがあります。
この症状は通常、治療後1週間程度で自然に落ち着きます。

治療後の一時的な痛みが続く期間

治療直後は、歯の組織が刺激を受けた状態にあるため、多少の痛みや違和感があることはめずらしくありません。
特に神経に近い部分や大きな虫歯の治療を行った場合は、数日間痛みが続くことがあります。

ただし、その後もズキズキとした痛みが続く場合は、治療の刺激以外の原因が考えられます。
持続的な強い痛みや夜間痛、腫れなどの症状がある場合は、何らかの問題が生じている可能性があるため、1週間を過ぎても痛みが落ち着かない場合は歯科医院に相談するようにしましょう。

治療後の痛みの対処法

鎮痛剤を服用する

歯が痛み始めた場合、そこまで激しい痛みでなければ痛み止めを服用することで症状を和らげられます。
まずは、歯科医院で処方された薬を服用しましょう。
もし処方薬がなくなった場合や追加で必要になった場合は、市販の痛み止めを使用しても問題ありません。
その際は用法・用量を守り、ほかに服用している薬がある場合は相互作用にも注意してください。

患部を冷やす

冷たいタオルや冷却シートを痛みを感じる場所の頬に当てると、痛みが和らぐ場合があります。
ただし、冷やしすぎると血行が悪くなり、組織の修復に必要な栄養や酸素の供給が不足するおそれがあるため、長時間冷やし過ぎないよう注意してください。

刺激を控える

治療後は、治療箇所が気になって舌で触りたくなることがあります。
しかし、触ると炎症が起こり、痛みの原因になる場合があります。

また、傷の治りも遅くなるおそれがあるため、治療箇所には触れないようにしましょう。
食事の際は、治療部位で噛まないよう注意し、やわらかい食べ物を選ぶことが大切です。
極端に熱いものや冷たいもの、辛いものなどの刺激物も避けるようにしましょう。

飲酒や喫煙を控える

治療後すぐの長時間の運動や飲酒は血行を促進し、痛みが増す原因になるため控えましょう。
アルコールは鎮痛剤の作用を弱めたり、副作用を強めたりする可能性もあります。
また、喫煙は、ニコチンが血管を収縮させ、組織への酸素や栄養の供給を妨げるため、傷の治りが遅くなり、感染のリスクを高めてしまいます。

歯科医院を受診する

痛みが長引く場合、主に二つの原因が考えられます。
一つは、虫歯が取り切れておらず、歯の内部に虫歯が残っている場合です。
もう一つは、歯の根の治療（根管治療）が不十分で、根の内部に細菌や炎症が残っている場合です。
どちらもセルフケアでは改善しないため、歯科医院での治療が必要です。

まとめ

治療前には痛みがなかった歯が、神経の過敏性や虫歯の進行度、治療の内容、使用した材料など、さまざまな要因により、治療後に痛くなることがあります。
多くの場合、痛みは一時的で、数日から1週間ほどで自然に落ち着きますが、痛みが長引いたり症状が悪化したりする場合は、追加の治療が必要になることもあります。
心配な症状があるときは、早めに歯科医院を受診することが大切です。