矯正治療で口元が下がる?その原因や対処法を解説
2025/10/10
こんにちは、秋葉原の歯医者、スマイルデザインデンタルクリニック秋葉原です。
矯正治療では、歯が移動することで口元の見た目が変化します。
例えば、出っ張っていた前歯が後方に移動すると、口元の突出感が改善されます。
このような変化は、基本的に見た目の印象をプラスに変えることが多いものですが、時として「口元が下がった」ように見えることで、老けたような印象や、口元がさみしくなったような印象を与えることもゼロではありません。
今回は、このように「口元が下がる」矯正治療の特徴や対処法について解説します。
歯列矯正で口元が下がりやすい歯並び
口元が後退しやすい歯並びの例として、「上顎前突」「上下顎前突」が挙げられます。
上顎前突は「出っ歯」とも呼ばれる、上の前歯が前に突出している状態です。
この「出っ歯」を矯正することで、上の歯が引っ込み、横から見た際に鼻から口元にかけてのラインがすっきりとした印象になります。
上下顎前突は、俗に「口ゴボ」とも呼ばれる、口元が全体的に前に突出している状態です。
横から見ると上下の唇がどちらも前方に出ているのが特徴であり、この状態を矯正すると、口元が後ろに引っ込むことで下がったような印象になることがあります。
歯列矯正で口元が下がる歯並び以外の原因
抜歯
矯正治療では、歯が並ぶためのスペースを作るために抜歯を行うことがあります。
特に成人の矯正治療では、あごの骨がすでに完成しており歯を動かすスペースが限られているため、歯を抜くことでスペースを作り、整った歯並びを目指すのが一般的です。
しかし抜歯には、それまで歯があることで引っ張られていた皮膚が引っ張られなくなり、口元が下がって見えるようになるというリスクもあります。
もちろん、歯科医師は顔の印象の変化も考慮しながら治療を進めますが、治療前にはこういったリスクがあることも理解しておくと治療における後悔を防ぎやすくなります。
不適切な矯正力
矯正治療の際に歯に加える力の方向や強さが適切でない場合、口元が下がった印象になることがあります。
特に、下の歯を過度に引っ張ったり、上下のバランスを無視した治療を行ったりした場合、口元が必要以上に下がってしまうことがあります。
矯正装置の種類や使用法
矯正治療に使用される装置の種類や使用法も、口元に影響を与えます。
例えば、装置の調整が不適切な場合や、ワイヤーやバンドの力が不自然に歯やあごにかかっている場合などは、下顎が自然と動いてしまい、結果として口元が下がることがあります。
骨やあごの構造
下顎が後退している、または上顎が前に出ている骨格の場合、矯正治療だけではバランスを整えることが難しく、口元が下がったような印象になることがあります。
このような場合、矯正治療を開始する前に十分な検査・シミュレーションを行うことが大切です。
顔全体のプロポーションや顎骨の状態を詳しく分析し、外科手術も視野に入れた治療計画を立てることで、自然な仕上がりを目指すことができます。
矯正治療で口元が下がらないようにするためのポイント
歯科医院を慎重に選ぶ
歯列矯正を考えている方は、まず歯科医院選びを慎重に行うことが大切です。
自分の症状と似た症例の治療経験を十分に持ち、口腔内スキャン、口腔内写真、顔面写真の撮影、X線写真撮影など、事前検査をしっかり行ってくれる医院を選ぶようにしましょう。
また、カウンセリングの際にはメリットだけでなく、デメリットやリスク、料金体系などについてわかりやすくしっかりと説明してくれる歯科医院を選びましょう。
質問のしやすさや、質問をした際の対応なども重要です。
歯科医師に希望をはっきり伝える
矯正治療を受ける際には、自分がどのような結果を期待しているのかをはっきりと言葉にして伝えることが重要です。
もちろん、すべてが患者さんの想像通りになるわけではなく、どの歯科医師も患者さんの期待を考慮しながら治療計画を立てますが、そもそも患者さんと歯科医師の間で認識がずれていては意味がありません。
「こんなお願いは無理かもしれない」と思わず、何でも率直に相談してみましょう。
セカンドオピニオンを受ける
カウンセリング後や治療中に不安を感じる場合、セカンドオピニオンを取り入れることも一つの方法です。
セカンドオピニオンとは、現在の治療方針や診断について、主治医とは異なる歯科医師の意見を聞くものです。
例えば、抜歯が必要と診断されていても、抜かずに治療をすすめられる方法があるかもしれません。
納得のいく治療のために、不安や疑問をそのままにしておかないようにしましょう。
口周りのトレーニングをする
もし矯正治療によって口元が下がったと感じることがあれば、表情筋のトレーニングを取り入れてみましょう。
また、矯正中であっても食事の際にはよくかみ、口周りの筋肉を動かすことが大切です。
やわらかいものだけではなく、適度に歯ごたえがある食材もバランスよく取り入れましょう。
転院を検討する
治療方針や治療の進行具合に不安があり「このままで大丈夫だろうか」と感じる場合は、別の矯正歯科医院への転院も検討しましょう。
治療途中であっても対応してくれる歯科医院はありますし、口元が下がり過ぎた場合の処置を提案してくれることもあります。
転院する場合、基本的に現行の医院から紹介状や診断書は必須ではなく、現在の口内環境と治療の履歴がわかれば話を進められます。
しかし、治療途中での転院は新たに検査費用が発生するなど、経済的・時間的負担が大きいものです。
まずは現在の歯科医院へ思っていることを遠慮なく相談したうえで、そのまま治療を続けることが難しいと感じる場合には転院を検討するようにしましょう。
まとめ
歯列矯正は、見た目の美しさや口内の健康につながる治療ですが、個々の症例に応じた治療計画と対応が必要になります。
「口元が下がったように感じる」
「なんだか老けて見えるようになった」
といった治療後の後悔を避けるためには、治療のリスクやデメリットも理解したうえで慎重に歯科医院を選び、歯科医師とのコミュニケーションを大切にしながら治療を進めることが大切です。
必要に応じてセカンドオピニオンや転院も視野に入れつつ、納得のいく結果を目指しましょう。
記事監修:スマイルデザインデンタルクリニック秋葉原 院長 歯科医師 児嶋 剛
日本インプラント学会 所属
日本歯内療法学会 所属
日本審美歯科学会 所属
日本臨床歯科学会 東京SJCD 会員
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