ナイトガードをつけていると虫歯になりやすい?その原因や対処法を解説
2026/10/20
こんにちは、秋葉原の歯医者、スマイルデザインデンタルクリニック秋葉原です。
ナイトガードは、就寝中の歯ぎしりや食いしばりから歯や顎関節を守るために使用する装置です。
一方で、使い方や日々のお手入れ方法によっては、虫歯のリスクが高まる場合があるのも事実です。
今回は、ナイトガードが虫歯リスクに影響を及ぼす理由や正しいお手入れ方法、歯科医院でのケアについて解説します。
ナイトガードの基礎知識
ナイトガードの役割や素材による特性を理解しておくことは、虫歯リスクを抑えるうえで大切です。まずはナイトガードの基礎知識を解説します。
ナイトガードは、歯ぎしりや食いしばりによる強い力から、歯や顎関節を保護するために用いられるマウスピース型の装置です。
睡眠中に加わる力は体重の数倍に達することもあり、歯の摩耗や破折、かぶせ物の破損を引き起こす原因となります。
ナイトガードを装着することでこれらの物理的なダメージを分散・軽減し、歯や顎関節を守ることができます。一般的には、歯科医院で患者さん一人ひとりの歯列に合わせて作製されます。
ナイトガードの素材と構造による特徴の違い
歯科医院で作製されるナイトガードには、大きく分けて「ハードタイプ」と「ソフトタイプ」があります。
ハードタイプは主にアクリル樹脂で作られており、耐久性に優れ、噛み合わせの微調整が行いやすい点が特徴です。
一方、ソフトタイプはエチレン酢酸ビニル(EVA)やシリコンなどの柔らかい素材で作られており、装着時の違和感が少ないという利点があります。
しかし、どちらの素材であっても、装着時には歯と装置が密着するため、唾液の循環が抑制されるという共通の課題が存在します。
ナイトガードの装着によって虫歯リスクが高まる理由
ナイトガードをつけるとなぜ虫歯になりやすくなるのか、その仕組みを知っておくと正しく対策しやすくなります。
大きな理由は、唾液が歯に行き届かなくなることと、細菌が増えることにあります。
唾液の分泌低下による保護機能の低下
唾液には、口内の汚れを洗い流したり、酸性に傾いた状態を元に戻したり、歯の修復を助けたりする働きがあります。
そのため、ナイトガードによって唾液が歯に届きにくくなると、唾液による保護機能が十分に働かなくなり、細菌が作る酸によってエナメル質が溶けていく現象が進みやすくなります。
装着前の磨き残しや就寝前の飲食
磨き残しや就寝直前の飲食によって口内に糖分が残ったままナイトガードをつけると、汚れが歯と装置の間に閉じ込められます。
装置で覆われることで唾液による自浄作用や酸の中和が働きにくくなり、夜間に細菌が酸を作り続けて虫歯を進行させてしまいます。
睡眠中の口呼吸による乾燥の悪化
歯並びなどによってはナイトガードを装着すると口元が閉じにくくなり、寝ている間に口呼吸になってしまうことがあります。
口呼吸が続くと口内が乾燥し、唾液の保護機能がさらに働きにくくなります。乾燥した環境は細菌が活発になりやすく、虫歯だけでなく歯周病や口臭のリスクも高まります。
お手入れ不足による口内トラブルの発生
お手入れや保管が正しく行われていないナイトガードには、細菌だけでなくカビや歯石が付着することもあります。
汚れた装置を毎晩装着することは、たくさんの細菌を口の中に持ち込んでいるのと同じです。特にカビの一種が増殖した場合は、口内炎や粘膜のトラブルを引き起こす原因になります。
ナイトガード使用中の虫歯リスクと種類による違い
素材や作製方法、日常の習慣によって、ナイトガードを使用することによる虫歯リスクが異なります。
ご自身が使用している装置の特性や生活環境を把握し、それに合わせて対策をとることが大切です。
ソフトタイプにおける特徴と注意点
ソフトタイプは柔らかく装着感に優れていますが、素材の性質上、表面に細かな傷がつきやすく細菌が付着しやすい傾向があります。また、歯への密着度が高いため唾液が届きにくくなります。
ソフトタイプを使用する場合は、より丁寧なお手入れと、口内の衛生管理が求められます。
ハードタイプにおける特徴と注意点
ハードタイプは表面が滑らかで傷がつきにくく、清掃性に優れています。細菌が付着しにくい点がメリットです。
一方で、調整が不十分で隙間が生じている場合、その部分に食べカスが入り込んで留まってしまうことがあります。日々のセルフケアとともに、噛み合わせとフィット感が維持されているか、定期的に歯科医院で確認することが大切です。
市販品(簡易タイプ)における懸念点
お湯で温めて成形するタイプなどの市販されているマウスピースは、個人専用に作られたものではありません。
そのため、歯科医院でオーダーメイドで制作するナイトガードと比べると、フィット感に限界があります。歯と装置との間に隙間ができやすく、そこに唾液や汚れが留まって虫歯リスクを高めてしまうことがあります。
歯の健康を守るためには、歯科医院で作製するオーダーメイド製品の使用が望まれます。
就寝前における飲食習慣の影響
就寝直前にジュースやスポーツドリンク、お菓子などを摂取し、十分なケアをせずにナイトガードを装着すると、酸の発生が長時間にわたって続きます。
就寝前は水以外の飲食を控え、摂取した場合は再度丁寧に歯磨きを行ってから装着する習慣を身につけることが大切です。
口内乾燥(ドライマウス)による影響
薬の副作用や加齢、ストレスなどにより唾液の分泌量が低下している方は、ナイトガード装着による虫歯リスクが高くなります。
口内の乾燥が気になる場合は、日頃からこまめに水分補給をしたり、唾液腺マッサージを行ったりして唾液の分泌を促すようにしましょう。
ナイトガード使用中の虫歯を防ぐセルフケア
虫歯リスクを抑えながらナイトガードを使用するためには、毎日の丁寧なセルフケアが不可欠です。
正しいお手入れと習慣により、口内トラブルが発生するリスクを低減できます。
装着前の丁寧なブラッシング
ナイトガードを装着する前の歯磨きは、虫歯を予防するための基本です。歯の表面に残った汚れや食べカスをできる限り取り除きましょう。
歯ブラシだけでなくデンタルフロスや歯間ブラシを使い、歯と歯の間、歯ぐきとの境目、奥歯の溝まで意識して丁寧に磨くようにしてください。
また、就寝直前の飲食を避け、食べた後は必ず歯を磨いてからナイトガードを装着することも大切です。そうすることで、就寝中の装置の中での細菌の増殖を抑えることができます。
ナイトガードの正しい洗浄と保管
ナイトガードの清潔さを保つことも、虫歯予防に直結します。
起床後にナイトガードを取り外した後は、流水で流しながら柔らかいブラシで汚れを洗い流しましょう。
この際、研磨剤入りの歯磨き粉を使うと装置に傷がついて細菌が増殖しやすくなるため、使用は控えるようにしてください。
水洗いだけでは落としきれない汚れには専用の洗浄剤を使用し、洗浄後は水気をよく拭き取って通気性の良い専用ケースに保管します。
なお、変形の原因になるため、熱湯で洗うのは避けてください。
歯科医院で行う専門的なケアとメンテナンス
セルフケアのみでは、口内の汚れをすべて落としきることができません。
定期的に歯科医院を受診し、必要なメンテナンスを受けることが、虫歯や歯周病から歯を守り、歯の寿命を延ばすことにつながります。
定期受診での口内チェックとクリーニング
ナイトガードを使用している方は、使用していない方よりも口内環境の変化が起きやすいため、2、3か月ごとに一度を目安に定期検診を受けるようにしましょう。
定期検診では、ナイトガードで覆われる部位を中心に虫歯の有無を確認し、セルフケアでは落としきれない歯石や歯垢を専用の機器で除去します。あわせてフッ素塗布を行うことで、歯質を強化することができます。
ナイトガードの点検と洗浄
受診時に普段使用しているナイトガードを持参すると、装置の状態に合わせた専門的なお手入れや調整が受けられます。
長期間使用した装置の表面には唾液中の成分が固着して歯石状の物質が付着しやすいため、歯科医院ではそういった汚れを超音波洗浄機などを用いて丁寧にクリーニングします。あわせて噛み合わせのすり減りやフィット感の変化も確認し、必要に応じて微調整を施します。
構成素材の劣化に伴う定期的な交換
ナイトガードは消耗品であり、使用を続けるうちに経年劣化が進みます。劣化によって表面に細かな亀裂が生じると、そこに細菌が入り込みやすくなります。
交換の目安は、ハードタイプで2〜5年程度、ソフトタイプで1〜2年程度です。ただし、噛む力の強さや使用頻度によって耐久年数は変わります。変形や破れ、変色が見られる場合は、目安の時期にかかわらず再作製を検討するようにしてください。
口内の変化に伴うフィット感の調整
虫歯の治療でかぶせ物をした場合や、歯の移動・摩耗が起きた場合、ナイトガードのフィット感が変化することがあります。
適合が不十分な装置を使い続けると、一部の歯に負担がかかって痛みを引き起こしたり、できた隙間に汚れが溜まって虫歯のリスクが高まったりします。
口内の治療を行った際や装着感に違和感を覚えた際は、調整や交換について歯科医師に相談するようにしましょう。
まとめ
ナイトガードは、大切な歯や顎関節を睡眠中の力から守るための装置です。
一方で、唾液の流れを抑えてしまうため、お手入れや使い方によっては虫歯リスクが高まる側面もあります。
リスクを抑えてナイトガードを使い続けるためには、日頃の意識が大切です。虫歯のリスクを心配してナイトガードの使用をやめてしまうと、歯ぎしり・食いしばりによるダメージが蓄積するリスクがあります。
毎日のセルフケアと歯科医院での専門的なサポートを組み合わせることで、歯ぎしり対策と虫歯予防を両立させましょう。
記事監修:スマイルデザインデンタルクリニック秋葉原 院長 歯科医師 児嶋 剛
日本インプラント学会 所属
日本歯内療法学会 所属
日本審美歯科学会 所属
日本臨床歯科学会 東京SJCD 会員
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